バッサーノロマーノ
聖ヴィンチェンツォ修道院レポート1
ベネディクト会シルヴェストリーニ・聖ヴィンチェンツォ修道院はローマから北に約60km、ヴィテルボの南側『バッサーノロマーノ』にあります。ナルディ博士とは、同じシルヴェストリーニの修道院、モンテファーノの『聖シルヴェストロ修道院』と同じく、家族のようなお付き合いがある修道院です。
ローマから北へ約60km
ローマから北へ約60km、およそ1時間、人口約5000人程度のバッサーノロマーノはのどかで、多くの緑に囲まれて古くからの建物があります。聖ヴィンチェンツォ修道院は、この街と近隣の自然を見渡せる丘に位置します。この地はヘーゼルナッツの栽培が盛んで、道中には多くのヘーゼルナッツ畑を見ることができ、緑多く美しい景色を見ることが出来る共に、かつて栄えたエトルリア文明の遺跡が数多く残っています。
修道院の小さな特産品店
修道院に到着すると、聖堂の鐘が大きく鳴り響き、小さな町に祈りの時間を知らせていました。そして、特産品店入り口で聖ヴィンチェンツォ修道院の修道士さんに出迎えられ、まずはお店を見学させて頂きました。
先代、アルド・ナルディさんの時代から修道院内のお店の製品を手掛け、現在はウンベルト・ナルディ博士に引き継がれ、小さなお店の棚には数多くの製品が並びます。アルドさんの時代は主に食品関係が多かったのですが、現在ではコスメ等が多く、ほかに特産ワイン、ロザリオやメダイ、書籍など...ここでは指輪をプレゼント頂きました。ロザリオリングです。
暖かい光が差し込む修道院の回廊
日が差し込む修道院の回廊には、キリストに関する絵画や、ジョバンニ(ヨハネ)・パウロ2世の肖像画などが数多く並びます。回廊が取り囲む中庭には、建物建設以前からあるシンボルツリーとも言えるシダーウッドの木が、悠然と立っています。静かで素敵な中庭です。
中庭を囲む回廊には沢山の部屋があり、重要な会議をする場、そしてこの修道院が目的とする、孤児などを受け入れる宿泊施設が約60室あります。また、子供たちの為にサッカー練習場なども整備してします。聖ヴィンチェンツォ修道院では、さらに受け入れるための新たな棟を増築しており、修道士たちは「Ora et Labora」(ラテン語で祈りと労働)の下で、今も献身的に働いています。
平和を愛するジョバンニ・パウロ2世
第264代ローマ教皇のジョバンニ(ヨハネ)・パウロ2世は、「人が生まれてくるのは苦しむためではない、幸せに、そして平和を守るため、それが人間の命題。」と説いたそうです。その教えを心に刻む、聖ヴィンチェンツォ修道院の修道士たちの思いは、回廊の肖像画などからよく伝わってきます。