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〜1000年の時を経て〜古き良き歴史と伝統を伝えたい…イタリア修道院とナルディ博士のナチュラル製品

香りのお話

   香りは私たちの感情に働きかけ、ときには心をも動かすものです。様々な時代に、多くの研究者が嗅覚の進化の意義・役割について研究しています。そして近年、現代科学のおかげで、幾人かの科学者がその進化の過程を紐解くことに成功しました。

嗅覚の構造

 鼻腔の上部のほぼ目の高さの位置に、左右二つの鼻の粘膜(嗅上皮)がありますが、その粘膜はそれぞれが1000万の神経細胞からできており、薄い粘膜上の層に覆われています。そして更にそれぞれの神経細胞の表面に受容体を持つ6から8本の微細な毛状のものに覆われています。この受容体が化学的に、非常に小さなパズルを合わすように、様々な種類の香りの分子を受け止め正確に情報を流すようになっています。
 鼻の粘膜(嗅上皮)は、私たちの体の中で唯一、外界と中枢神経が直接コンタクトするところです。香りの分子は、粘膜細胞上で神経細胞に電気刺激を与えます。そして「篩骨(しこつ)」と呼ばれる細かい穴の開いた薄い骨を通り情報を脳に伝達します。このようにして嗅覚は香りのもととなる物質を発見し、脳内部の様々なところへその信号を送るのです。

他の刺激とは少し違う嗅覚

 嗅覚的刺激は他の感覚(五感)的刺激と違い、大脳新皮質(思考、判断など知的活動を司る部分)を介さずに直接大脳辺縁系(原始的な本能や感情、記憶などを司る部分)に届きます(嗅覚以外は、それが「何であるか」を先に判断し、「どう思うか」が後になりますが、臭覚は「どう思うか」が先ですので、大脳辺縁系で本能的に香りを感じます)。このようにして、嗅覚信号は私たちの本能に直接働きかけるので、私たちが香りが何かに気づく前に、その香りは私たち潜在意識への影響を与えていることになります。

香りの作用

 香りの刺激は様々な物質(セロトニン、エンケファリン、エンドルフィンなど)を生み出します。そして、それぞれの物質が痛みを抑制したり、幸福感を呼んだり、リラックス感を生んだりするのです。香りという言葉の深い意味では性的刺激もあります。ホルモンに似た効果のある物質、フェロモンは人間においても動物においてもそのパートナーを決めるときの選択に大きな影響を与えます。良いか悪かは香りによって訴えかけ、変えることもできるのです。

 また、香りと記憶は大脳辺縁系に記憶されています。生まれた日から様々な香りに接し、これらに記憶を結びつけます。こうして、私たちは数ある香りを自分自身の個人的な感情に結びつけて行きます。エッセンシャルオイル等の香りが幾世紀も宗教儀式的な目的に使用されたのも、うなずくことができます。

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