ヴァッロンブローザ修道院(Monasteri di Vallombrosa)
「・・・ヴァッロンブローザ(Vallombrosa)、来るものは誰にでも優しく、親切な、美しく、豊かな大修道院はこのように名づけられた。」 ルドヴィーコ・アリオスト長い伝統を今に受け継ぐこのヴァッロンブローザ修道院は次の教えを大切にしています。
「祈りなさい、そして働きなさい。」
この教えに基づき、薬理学上の支援としては薬草に頼るしかなかった時代、数世紀に渡って病人や治療を必要とする人々を助けてきました。ヴァッロンブローザの修道士達は、その長い伝統と文化のためだけではなく、その当時の病気を治すための薬や水薬、鎮痛剤の調合技術・知識の継承者として、よく知られるようになりました。リンボッティ博士がフィレンツェに聖トリニタ薬理学研究所を創設した年、1780年から継続的な、そして経験主義ではなく科学的根拠に基づいた薬理学研究が始められます。
そして、治療薬を長期保存できること、持ち運びできることなどが求められはじめると、修道士たちはインフーゾ(煎じ薬)とは違った、ガレノス派医学を応用し始めます。化学の知識の確立の数世紀前に、彼らは蒸留(エッセンス抽出、濃縮、リキュールの製造)の実験、賦形剤(薬剤を服用しやすくするなどのために加える物質)やアルコールなどのより安定した添加剤の利用、大きな医療的相乗効果を求めて様々な物質の混合の実験などを始めたのです。
今日、化学の獲得、合成物の発見、科学の発達とともに時代が進み、もはや時代遅れとなってしまった、当時とまったく同じ形の伝統的な薬剤などはもう残っていません。しかし、伝統の調合方法や修道士達の努力によって当時の知識に基づいて再び命を吹き込まれたリキュールや化粧品は残っています。これらの製品は伝統的な技術・道具や薬草に対する真摯な研究の成果であり、数世紀に渡る知識、献身、使用物質の吟味と十分な準備の結果なのです。
写真一覧
- ヴァッロンブローザ修道院敷地眺望
- 丘から見たヴァッロンブローザ修道院敷地
- 隠修士のバルコニーから見た修道院の景色は「小さな楽園」と呼ばれている
- ヴァッロンブローザ修道院
- ヴァッロンブローザ修道院の図書室
- 教会内の聖職者祈祷席
- ヴァッロンブローザ修道院教会内の中央祭壇
- 図書室にて読書をするマルコ ピリオーレ神父
- マルコ ピリオーレ神父
- ヴァッロンブローザ修道院のアンティークキッチン
- ヴァッロンブローザ修道院内の回廊
- ヴァッロンブローザ修道院玄関
- ヴァッロンブローザ修道院の来客用宿泊施設のガラス窓
- ヴァッロンブローザ修道院の来客用宿泊施設の廊下
- ヴァッロンブローザ修道院の森林
- 教会内のヴァッロンブローザ修道士たち
- ヴァッロンブローザ修道院内
- ヴァッロンブローザ修道院内のアンティークハーブ専門店内
- ナルディ博士とガブリエレ神父 ヴァッロンブローザ修道院の蒸留酒工房にて1
- ナルディ博士とガブリエレ神父 ヴァッロンブローザ修道院の蒸留酒工房にて2
- ナルディ博士とガブリエレ神父 ヴァッロンブローザ修道院の蒸留酒工房にて3